深山焼は、始まりが江戸時代まで遡る長い歴史を誇る焼き物です。
しかし、深山焼の歴史や焼き物の特徴は一体なんなのでしょうか。
ここでは、以下の内容を詳しく解説していきます。
- 深山焼とは?歴史から詳しく解説
- 深山焼の特徴は?
- 深山焼の種類は何に分類される?
- 深山焼の窯元と作家は?深山焼の作品もご紹介
深山焼について、詳しく歴史背景などを知りたい方は、この記事を参考にしてください。
深山焼とは?歴史から詳しく解説
深山焼の歴史は、江戸時代まで遡ります。
上杉鷹山が興した「成島焼」の流れをくむとされている深山焼でしたが一度は、途絶えました。
しかし、1961年に重要文化財となっている深山観音堂の下に流れる実淵川の段丘の上に窯跡が発見されました。
さらに、深山地区を流れる川近くに窯跡や茶わんなどの破片が大量に発見。
深山地区で見つかったことから、「深山焼」と名前がつけられました。
また、山形県白鷹町深山には19世紀前葉に操業した深山焼窯跡がございます。
深山焼窯跡は、米沢藩で希少製品を焼いた特殊な窯として有名な窯跡です。
しかし、深山焼窯跡は見つかってはいますが伝承や文献などが全くございません。
地元にも伝承が残っていない窯跡で、現在も遺物を調査中です。
そして、深山焼は、教員をしていた梅村正芳さんの手によって復興するきっかけになりました。
成島系窯業の最後の技術継承者である柴田氏のもとに訪れた梅村正芳さん。
そして、柴田氏から教えを受けると共に、原料産地から採取した釉薬や粘土を用いて深山焼の陶器生産を成功させました
深山焼の特徴は?
梅村正芳さんの手により復興された、ロクロ技術のうまさと品質の良さがうかがわれている深山焼。
深山焼は、素朴な味わいのある焼き物です。
深山焼は、原料産地から採取した釉薬や粘土を使用しています。
また、深山焼は薪窯を操業する窯場です。
近年、薪窯を操業する窯場は少なく、全国的にも希少になっております。
深山焼の種類は何に分類される?
深山焼の種類は、陶器に分類されます。
自然豊かな里山で、紅花を釉薬に使った陶器を作っております。
深山焼の窯元や作家は?深山焼の作品もご紹介
深山工房つち団子の基本情報は以下です。
名称 | 深山工房つち団子 |
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代表 | 金田利之 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 不定休 |
住所 | 〒992-0776 山形県西置賜郡白鷹町深山2530
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公式サイト | http://www.dango-miyama.sakura.ne.jp/ |
深山焼は、一度途絶えてしまいましたが、教員をしていた「梅村正芳」さんの手によって深山焼は復活しました。
昭和40年代に、陶芸の研究を始め復興を目的に動いていた梅村正芳さん。
その後、復興した深山焼は伝統工芸として認知をされました。
そして、1983年に山形県で「深山工房」を建設。
復興した深山焼を中心に、伝統工芸の村である「のどか村」が山形県西置賜郡白鷹町深山に誕生しました。
さらに、深山工房は弟子である「金田利之」さんが技術とともに梅村正芳さんから継承し、現在は「深山工房つち団子」と改称しています。
深山工房つち団子は、山形県の中心にある白鷹町に工房があります。
工房のある白鷹町は、江戸時代に米沢藩の最北部に位置。
さらに、直江兼続や前田慶次が、「長谷堂合戦」へ行軍をした所であり、別名「北の関ヶ原」と言われています。
このような歴史を感じさせる場所に、深山焼は作られております。
さらに、深山焼は登り窯を使用して作成をされていますが、登り窯にも深い背景がございます。
梅村正芳さんは、薪窯による焼成技術の復興を重要視しており、登り窯を築きました。
ですが、2011年3月11日に発生した大規模な災害である東日本大震災によって崩落をしてしまった登り窯。
しかし、梅村正芳さんの弟子である金田利之さんと多くの支援者の方が「登り窯復活プロジェクト」を立ち上げました。
「登り窯復活プロジェクト」により、深山焼を伝承するために重要な登り窯を修復。
そして、梅村正芳さんが復元した深山焼の伝統と焼成技術をさらに深めていくために、陶芸の体験者を迎えたプロジェクト活動として薪窯を運用しています。
このように金田利之さんが技術と共に継承をした「深山工房つち団子」では、実際の深山焼を作るさまざまな体験が出来ます。
電動ロクロ体験
電動ロクロの体験ができます。
湯呑みや小鉢などを自由に作っていただけます。
体験可能時期 | 4月〜12月上旬 |
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料金 | 1名:3300円~ |
所要時間 | 1時間30分~2時間 |
手びねり体験
陶芸の基本である手びねり技法を体験できます。
湯呑みやマグカップなどの作成が可能です。
体験可能時期 | 4月〜12月上旬 |
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料金 | 1名:1700円~ |
所要時間 | 1時間30分~2時間 |
絵付け体験
陶芸用の絵の具で絵付け体験ができます。
湯呑み茶碗やお皿に自由に模様を書くことができ、誰でも簡単にできる体験となっております。
体験可能時期 | 4月〜12月上旬 |
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料金 | 湯呑み茶碗:1700円 5寸皿:2200円 |
所要時間 | 15分~1時間ほど |
「わかりやすく丁寧な指導で、楽しかったです」や「居心地の良い雰囲気で体験が出来ました」と口コミで好評です。
是非、深山焼の素晴らしさを、体験してみてください。
深山焼の作品
金田利之さんが深山工房つち団子で作る深山焼は、さまざまな作品が作られています。
干支シリーズ
金田利之さんが深山工房つち団子で作る深山焼の作品で、「干支シリーズ」が人気を誇ります。
2001年から始まった「干支シリーズ」。
干支シリーズは、その名の通り干支にちなんだ動物の置物です。
ひょうきんな表情の動物たちが愛らしさを感じさせ、味わい深さを感じさせます。
もみ殻や炭と一緒に焼き上げることで生まれる緋色や灰色のグラデーションが特徴的な干支シリーズ。
作品は、山形県の初市で人気を集めています。
オリジナル兜
また、干支シリーズの他にオリジナルの「兜」も作成しています。
上杉謙信や直江兼続公の兜をオーダーメイドで作成。
子供の誕生日祝いには、お子様の名前の一文字や会社の創立記念日にロゴマークを前立てに入れるなど、細部のデザインまでご希望も受け付けてくれます。
紅花釉
他にも、「紅花釉」という作品もございます。
山形の歴史に深く刻まれている紅花は、白鷹町で生産量を日本一誇ります。
生産量日本一を誇る紅花を乾燥させて登り窯の焚口で時間をかけて燃やすと紅花の灰が作られます。
この紅花の灰は、紅花を大量に集めても、ほんの少しの量にしかなりません。
その、貴重な灰である紅花の灰を釉薬にしたものが「紅花釉」となります。
まとめ
素朴な味わいが魅力的な焼き物である深山焼。
深山焼の歴史は、江戸時代まで遡り、「成島焼」の流れをくむとされていましたが途絶えてしまいました。
しかし、1度は途絶えてしまいましたが、梅村正芳さんの手により深山焼は、復活しました。
現在は、梅村正芳さんの弟子である金田利之さんが技術と伝統を継承しており、深山工房つち団子として工房を運営しております。
金田利之さんが作る深山焼の作品は、干支シリーズやオリジナル兜が作られており、人気を誇ります。
また、金田利之さんが運営をしている深山工房つち団子では、実際の深山焼を作る体験が出来ます。
人の手によって復活した深山焼を是非、ご覧ください。