小石原焼(こいしわらやき)は、福岡県の東峰村で作られている陶器です。
村で採れる良質な陶土から作られ、どの器も素朴で温かみのある風態を感じます。
歴史 | 1682年ごろからはじまる |
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作られている場所 | 福岡県 朝倉郡 東峰村 |
種類 | 陶器 |
窯元数 | 約50 |
器の特徴 | 硬くて丈夫。日用品が豊富。 |
民藝運動で一躍脚光を浴びる。
小石原焼きが脚光を浴びたのは、1926年に思想家 柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司などによって提唱された「民藝運動(みんげいうんどう)」という生活文化運動です。
そこで柳達は職人たちの手によって作られた日用の生活道具を「民藝(みんげい)」と名付け、美は生活の中にあると語りました。
この暮らしの中で使われることを考えて作られ、使われることによって輝く。という考えは『用の美』と言われました。
「用の美の極致」小石原焼
陶芸家のバナード・リーチも小石原焼に魅せられた一人。リーチは小石原焼を「用の美の極致」と評しました。
その後、1958年にブリュッセル万国博覧会で、グランプリを受賞。小石原焼は広く知られ、今では村に50近い窯元が存在しています。
<p毎日の生活の中で使われ、飾らない美しさを持つ焼き物。それが小石原焼です。< p=””>
小石原焼の特徴
飛び鉋(飛びかんな)
一番代表的な模様です。
制作の過程で、ロクロで回転させながら土を削り取って模様をつけます。
等間隔の削り目は、シンプルながら美しいです。
様々な食材に合うこの模様は、食卓に並ぶとその魅力を発揮します。
東峰村の魅力
さて、江戸時代から小石原焼が作られている地、東峰村。いったいどんな所なのでしょうか?
東峰村地域おこし協力隊 荒巻悠太さんに教えて頂きました。
東峰村は「小石原村」と「宝珠山村」が合併してできた村です。
山林原野が約86%を占め、自然に囲まれています。また季節ごとに色々な草花が咲き、自然もいろんな表情を見せてくれます。棚田や行者杉など観光スポットもあります。
自然だけでなく、伝統や歴史も深く小石原焼という陶器もそうですが、修験道とも関わりの深い地でもあります。
また、国重要文化財の「岩屋神社」というものがあり、そこには「宝珠石」という約1400年前に降ってきた隕石が祀られております。しかし宝珠石は薦で包まれており、宝珠石を直接見ると目が潰れるとされ、誰も見たことがないという謂れがあります。
小石原焼は窯元がそれぞれの展示場を持っており、40を超える窯それぞれ特徴があります。色んな窯を巡ることで違いを感じ、お気に入りの窯を探すことができる楽しみがあります。
窯元さんとも直接話すこともできます。技法や歴史・窯の特徴を教えてくれます。
ぜひ、一度東峰村にお立ち寄りいただき、色んな窯を巡り焼き物に触れ、生活の一部となる姿を想像していただきたいです。また、村内に広がる自然・歴史にも触れていただきたいと思っています。
Interview:東峰村地域おこし協力隊 荒巻悠太さん
のんびりとした美しい自然と、300年以上も作られている生活に根ざした焼き物。ぜひ次の旅行先に東峰村はいかがでしょうか?
毎日の生活の中で使われ、飾らない美しさを持つ焼き物。それが小石原焼です。